今日もあすみ技研レオメータコラムをご覧いただきましてありがとうございます。
今回は私がレオメータを使用していて、最初は測定が安定しなかった高粘度試料の測定のコツをお伝えしていきたいと思います。
それではよろしくお願いします。
水など低粘度の試料を測定する場合、試料を容器に入れてセンサを刺す測定前の段階では殆ど問題は発生しないと思います。しかし高粘度の試料を測定する場合には、試料を容器に入れる際に液面が平滑にならなかったり、センサを刺す際にセンサ周りに空隙(くうげき)ができてしまい正しい測定値が得られないことがあります。
例1.高粘度試料液面
例2.センサ周辺空隙
そこで今回は、
1.高粘度サンプルの液面を平滑にする方法
2.センサ周りの空隙対策
この2点について解説していきます。
これは非常にシンプルです。容器のフチより試料を多く入れて擦切るだけです。
例3-1.擦切り前
例3-2.擦切り後
注意点が1点あります。容器のフチで試料を擦切ってしまう関係上、センサを刺した際に試料がこぼれ出る場合がありますのでご注意ください。
最初の方にお見せしたように(例2)、高粘度試料にセンサを普通に刺すと空隙ができます。対策としては空隙が埋まるまで待つ、試料台を上下に動かして空隙を埋めるなどの方法があります。センサを刺してから少し待って空隙が埋りそうな場合にはそのまま待ちます。試料が空隙を埋める様子がない場合には試料台を上下させることで空隙を埋めます。この時センサの上の方に試料が付いてしまうと、実際より高い粘度が表示されて測定が正しく行えなくなってしまうので注意してください。試料台を上下させて空隙を埋める方法を実際に行ってみたので写真をご覧ください。
試料に普通に刺しただけなのでセンサ周辺に空隙ができています。試料台を上下させて試料を馴染ませます。
試料台を上げる際は振動子のくびれ(赤点線部)より上に試料が封着しないようにします。
何度も試料台を上下させると写真のように空隙が埋まり、測定ができるようになります。
大事なことなので何度も書きますが、振動子のくびれより上に液面を上げてしまって試料が付いてしまわないように注意してください。
測定のコツは以上となります。これらの方法はあくまでも一例で、正しい測定のために意識していただきたいことは、センサ周辺を常に同じ条件にすることができるかどうかです。それさえできるようでしたら他の方法で行っていただいてもかまいません。試料の様子をみてぜひ試してみてください。
粘度測定をお考えの御客様の不安や疑問の解決に本コラムが少しでもお役に立てば幸いです。それでは今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
(M.H)