レオメータとは

What is Rheometer?

レオメータ(Rheometer)とは、非ニュートン流体の流動特性を測定する装置です。幅広い条件下で測定を行い、非ニュートン流体のレオロジー特性を評価することができます。医療、食品、化粧品、化学など様々な分野で活用されています。

粘度計との違い

粘度計では、一般的に一定のずり速度で粘度を測定します。一方、レオメータではこのずり速度を変化させながら測定を行うことができます。ずり速度が変化しても粘度が一定値になるニュートン流体であれば粘度計での測定でも問題ありませんが、ずり速度が変わると粘度も変化する非ニュートン流体の性質を理解するためにはレオメータでの測定が必須です。

粘度計との違いイメージ

音叉振動式の特徴

当社では数あるレオメータの中で、A&D製レオメータRV-10000Aをご用意しています。音叉振動式では液体中で振動子を共振させ、振動子を一定振幅で動かすのに必要となる加振力から粘度を求めます。

 

音叉振動式のひとつ目の特徴は試料と接触する部分である振動子です。薄型プレート状をしているため、3つの利点が生まれています。

  • 試料組織の破壊が少ないため、安定した粘度値と粘度変化に追従した測定を行うことができます。
  • シンプルな形状のため、清掃が容易です。
  • 振動子が小さいため、試料の粘度変化や温度変化に素早く応答した測定ができます。

 

 


また、振動子と温度センサが隣接しているため、リアルタイムで正確に温度と粘度の相関性を把握することができます。

ふたつ目の特徴は容器を選ばないという点です。試料量に合わせた容器を使用したり、透明な容器を使用することで、試料の様子を見ながら測定を行うことができます。

音叉振動式の測定原理

試料中に薄い振動子を挿入し、この振動子を一定の振動数(周波数)で振動させます。すると振動子と試料の間には粘性による摩擦力が働き、この摩擦力の大きさにより振幅が変化します。振動式粘度計では、この振幅が一定になるように、振動子を振動させる駆動電流を変化させます。この駆動電流から粘度値を測定します。

理論モデル

液体から振動子が受ける機械的インピーダンスRz

電磁駆動部が振動片に一定の振動速度Veωtiを与えている力をFとすると

電磁駆動部が与える力は、粘度ηと密度ρの積に比例している。

レオメーター測定原理

音叉振動式では、電磁駆動部の力と比例関係にあるのは粘度ηと密度ρの積であるため、測定結果として粘度η×密度ρの値が表示されます。

JIS規格について

振動式粘度計での測定方法は、2011年に改定されたJISZ8803「液体の粘度測定方法」で規格化されています。