glossary
・ずり速度、ずり応力
せん断速度、せん断応力ともいわれます。
トランプの束をずらすときを例にします。トランプの束の高さをH、トランプの表面積をA、トランプの束をずらす速度をVとします。
トランプの束をずらした時、一番上のトランプが動く速度はVですが、一番下のトランプが動く速度は0となります。このようにトランプの束をずらしたとき、上下のトランプに速度勾配が生じます。この速度勾配はV/Hで表すことができ、これをずり速度といいます。単位は[1/sec]です。
トランプをずらすのに必要な力をFとします。
ずり応力は単位面積当たりの力なのでF/Aとなります。単位は[Pa]や[N/m2]です。
・ニュートンの粘性法則
ずり速度と、ずり応力が比例関係にあるという法則。
・ニュートン流体
ニュートンの粘性法則にしたがう流体。一定温度の時、ずり速度またはずり応力を変化させても粘度が変化しない流体。
・非ニュートン流体
ニュートンの粘性法則が当てはまらない流体。ずり速度とずり応力に比例関係が成り立たない流体。
・ビンガム流体
一定の力を加えるまでは粘度が変わらないものの、ある一定の力を超えると急激に粘度が一定まで低くなる流体。
・擬塑性流体
力を加えていくと、だんだん粘度が低くなる流体。
・ダイラタント流体
力を加えると粘度が上昇する流体。
・チクソトロピー
ずり応力を受け続けると、粘度が次第に低下し、ずり応力を加えるのを止めると、時間とともに粘度が元に戻る性質をもつ流体。
・降伏値
ビンガム流体が流動し始めるのに必要な応力 。
・動粘度
粘度を密度で除した値。流体そのものの動きにくさを表しもの。単位は[m2/s]
・振動式粘度計
試料中の振動子(感応板)の振幅を制御しその振動子をドライブする電流を測定し粘度を求めます。
・回転式粘度計
試料中に円筒型の回転子を入れ、その回転トルクを測定して粘度を求めます。二重円筒型のB型粘度計やコーンプレートのE型粘度計等があります。
・細管式粘度計
細管に試料を流し、細管の両端の圧力差から粘度を求めます。
・落体式粘度計
試料中に円筒型や球体のものを落とし、一定距離を落下する時間を測定して粘度を求めます。
・カップ式粘度計
試料を一定容積の容器(カップ)に満たし、オリフィスからの試料の流出時間から粘度を求めます。
・デボラ数
緩和時間/観測時間で定義される無次元数。大きいほど個体的で、小さいほど流体的です。
・粘性
与えられた運動エネルギーが熱エネルギーとなる性質。損失弾性率ともいわれます。
・弾性
与えられた運動エネルギーが運動エネルギーとなる性質。貯蔵弾性率ともいわれます。
・粘弾性
粘性と弾性の性質。