粘度測定のコツ:温度変化編

【粘度測定のコツ:温度変化編】

今回もあすみ技研レオメータコラムをご覧いただきましてありがとうございます。

今日は昇温条件下での粘度測定のコツをお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いします。

【粘度と温度】

粘度と温度には大きな関係があり、温度が1℃変化すると10%前後も粘度が変化する液体もあります。単に粘度の変化を見るだけではなく、粘度の変化から非イオン界面活性剤の曇点を測定したり、タンパク質の凝固の様子を観察したりすることもあります。温度を変化させて粘度を測定することで、ほかにも様々な液体の特性を知ることができます。

温度を変化させる方法はいろいろとありますが、今回は比較的手軽なホットプレートを使用した測定のコツや注意点をお伝えしていきたいと思います。

【目次】

ホットプレートを使用して行える測定は常温以上での測定になります。具体的には昇温させながらの測定、高温を維持しての測定、高温から冷却させながらの測定等々が行えます。基本的にはどの測定でも注意点は変わりませんので、まとめてお伝えしていきます。

 

1.ホットプレートへの設置方法

 

2.センサ部へのサンプル付着対策

【1.ヒーターへの設置方法】

ホットプレート自体は試料台ステージを外して設置します。ガラスビーカーなどを使用する場合はそのままホットプレートの上に置いていただいてもかまいませんが、容器が耐熱性の低い樹脂素材等でできている場合には、湯煎して加熱を行ってください。ちなみに湯煎を行うことでホットプレートでの加熱でも全体から加熱され、直置きよりも均一に試料に熱を伝えることができます。

少量サンプル容器をビーカーにセット

少量サンプル容器

大きいビーカーに小さいビーカーをセット

ビーカー


【2.センサ部サンプル付着対策】

測定時にはセンサ部がサンプルの上にあるため、加熱して蒸発したサンプルがセンサ部上部に付着することがあります。センサ部上部にサンプルが付着してしまうと測定値が実際より大きく出てしまいます。こういった場合には、容器に蓋をすることでサンプルの付着を防ぎます。付属している少量サンプル容器を使用する場合には付属の蓋を使うのが良いかと思います。その他の容器を使用する場合は容器に口にラップを張り、振動子などのセンサ類が入るように穴をあけて蓋代わりにしてください。

少量サンプル容器と蓋

少量サンプル容器と蓋

ビーカーにラップで蓋

ラップを張ったビーカー


【最後に】

昇温時の注意点は以上になります。今回のコラムが皆様のご参考になれば幸いです。

装置に関することだけでなく、何かご質問・ご要望がありましたら是非お気軽にあすみ技研へお問い合わせください。それでは今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

(M.H)